日本人の成人男性の約4人に1人、女性の約10人に1人がイビキの習慣があるとされており、その多くが睡眠時無呼吸症候群の可能性を持っています。このページでは、注意すべき症状とその原因、健康への影響について詳しく解説します。
「家族からイビキがひどいと言われる」「寝ている間に息が止まると指摘される」など、他者からの指摘で初めて気づくケースが多いのがイビキや睡眠時無呼吸症候群の特徴です。
- 大きなイビキをかく:気道の狭窄を示すサインかもしれません
- 夜中に息が止まる:まさに無呼吸、家族からの指摘は最も重要な警告サインです
- 睡眠中に息苦しさを感じて目が覚める:無呼吸からの回復時に起こる症状です
- 夜中に頻繁にトイレに起きる:睡眠の分断と関連している可能性があります
- 朝起きた時に頭痛がする:夜間の低酸素状態が原因の可能性があります
- 起床時の口やのどの渇き:口呼吸が増えることによる症状です
日本睡眠学会の調査によると、睡眠時無呼吸症候群患者の約70%が大きなイビキを報告しており、特に「夜中に頻繁にトイレに起きる」という症状は、無呼吸による覚醒が原因となっている可能性があります。
睡眠の質が低下することで、日中にも様々な症状が現れます:
-「日中の強い眠気」:会議中、運転中など、不適切な場面での居眠り
-「集中力の低下」:作業効率の減少、ミスの増加
-「記憶力の減退」:新しい情報を覚えることが難しくなる
-「イライラ感や抑うつ気分」:感情のコントロールが難しくなる
-「慢性的な疲労感」:休息を十分にとっても疲れが取れない
厚生労働省の研究によると、中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群患者の約80%が日中の過度の眠気を経験しており、これが交通事故リスクを2〜7倍に高めるという報告もあります。
イビキについての自己診断テストです。
10の質問の内、1つでも思い当たることがあれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
特に注目すべきは、睡眠時無呼吸症候群による低酸素状態が身体に与える長期的な影響です。無呼吸が繰り返されることで血中酸素濃度が低下し、体が常にストレス状態に置かれます。この状態が続くと、血管内皮の機能障害が起こり、動脈硬化が進行しやすくなります。
日本循環器学会の報告によると、中等度から重度のSAS患者は、適切な治療を受けない場合、心血管疾患による死亡リスクが約3倍に上昇するとされています。特に夜間の胸痛や息苦しさを感じる方は、早急に専門医の診断を受けることが重要です。
当院では、イビキや睡眠時無呼吸でお悩みの方に対して、精密検査から最新の治療まで一貫したケアを提供しています。
体重過多、特に首周りの脂肪の蓄積は、気道周囲に圧力をかけて狭窄させます。日本肥満学会の調査によると、BMI25以上の方はイビキや睡眠時無呼吸のリスクが約2.5倍に増加するとされています。わずか5〜10%の減量でも症状が大幅に改善することがあります。
アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症などの鼻の疾患も、イビキの重要な原因です。鼻の通りが悪くなると、口呼吸になりやすく、舌が後方に落ち込みやすくなります。
扁桃肥大や口蓋垂(のどちんこ)の肥大も、気道狭窄の原因となります。特に小児のイビキでは扁桃肥大が主要な原因であることが多いです。
就寝前のアルコール摂取は、のどの筋肉を過度に弛緩させ、気道の閉塞を促進します。通常はイビキをかかない方でも、お酒を飲んだ夜にはイビキをかくことがあります。
年齢を重ねるにつれて、のどの筋肉の緊張が低下し、組織の弾力性が失われていきます。特に50歳以上の男性で顕著に見られる傾向があります。
・・・これらの要因が関係し、イビキが発生するのです。
イビキをかくことで、何よりも怖いこと、それはイビキの合間に息が止まることです。
イビキと睡眠時無呼吸症候群は密接に関連しており、大きなイビキは睡眠時無呼吸症候群の重要な警告サインとなります。
睡眠時無呼吸症候群の中で約9割を占める閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:obstructive sleep apnea)は、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する「無呼吸」の状態が、一晩に30回以上、あるいは7時間の睡眠中に1時間あたり5回以上発生する疾患です。この状態では、体は一時的に酸素不足に陥り、脳が危険を感知して無意識のうちに何度も覚醒した状態になっています。(日中眠くなるのも当然ですね)
「2分間息を止めてください」と言われて、ラクに息を止められる人はそう多くはいません。
寝ている状態で無意識だからといっても、十秒間の無呼吸を三十回繰り返すことだってかなり大変なことです。
たとえるなら、寝ている間に誰かが口を十秒以上ふさいで、これを何十回も繰り返していると考えると、ぞっとしませんか?「睡眠時無呼吸症候群」とはこんな恐ろしい症状が毎日のように続くツライ病気なのです。
日本では約300万人が睡眠時無呼吸症候群に罹患していると推定されていますが、その90%以上が未診断・未治療状態と言われています。特に中年男性に多く見られます。
そして日本人で習慣的にイビキをかく人は2千万人以上もいます。
その全てが「睡眠時無呼吸症候群」の予備軍なのです!
「睡眠時無呼吸症候群」になると、眠気が日中、突然襲ってくることがあります。会議中に突然眠り込んだり、電話をかけている最中に眠ってしまったなど、通常の生活では考えられないような事態も起こります。車の運転中、猛烈な睡魔に襲われ交通事故を繰り返すという事件が社会問題にもなっているのはご承知の通りです。
次のページではその睡眠時無呼吸症候群のうち閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療法についてお伝えします。