こどものいびき

子供のいびき・無呼吸が気になる方へ

①子供のいびきが気になる方へ

お子さんのいびきが気になることはないでしょうか。大きないびきをかいて寝ていると、今日も疲れたからよく寝てるのかな、と思われるかもしれません。しかし、それはSAS(睡眠時無呼吸症候群)という病気の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は口や鼻、肺へと続く空気の通り道が狭くなることで、眠っている間に呼吸が止まる状態が繰り返される病気のことです。大人だけの病気ではなく、お子様も発症してしまう場合があります。

②子供のいびき・無呼吸の原因

子どものいびき・無呼吸の原因ですが大きく2つあります。1つはのどにある口蓋扁桃、咽頭扁桃(アデノイド)の肥大です。扁桃腺、アデノイドが肥大することにより気道が狭まり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。もう一つの原因は鼻炎などによって引き起こされる鼻づまりです。こちらもいびきや睡眠中の無呼吸を引き起こします。

③症状といびき・無呼吸が子供に与える影響

睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠時は大きないびきを繰り返す、呼吸が数秒間止まる、眠りが浅く何度も起きる、咳き込む、寝汗・夜尿などがあげられます。起床時には寝起きが悪く不機嫌、口が渇いている、頭痛などがあげられます。このような状態が続いてしまうと、日中に眠くなってしまったり、口を開けて舌を突き出した顔つき、いわゆるアデノイド顔貌になってしまったり食欲が低下してしまったりなどします。また、睡眠が浅くなり成長ホルモンの分泌が悪くなることによる身体の成長の遅れ、集中力がなくなり学習意欲の低下や受験に悪影響が出る可能性があるので早めにご相談ください。

④子供のいびき・睡眠時無呼吸症候群の検査診断

まずは扁桃腺やアデノイドが大きくなっていないか、アレルギー性鼻炎などの鼻づまりを引き起こすような病気がないか確認するために医師が診察を行います。その後、夜間の睡眠状態を調べるための検査を自宅で行っていただきます。検査機器をお貸ししますので、睡眠中の呼吸停止回数、いびきの具合、血中酸素飽和度、心拍数を測定してください。当院では入院による検査を必要としないので、入院検査に比べお子さんの負担が少なくて済みます。

⑤子供のいびき・睡眠時無呼吸症候群の治療法

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されましたら治療を開始します。治療法は大きく分けて2つあります。1つ目が保存的療法です。軽症で鼻づまりが原因の場合、点鼻薬や抗アレルギー薬などを服用し、症状を軽減します。重症の場合は、大人の治療と同様、CPAP(シーパップ)と呼ばれるマスクのようなものを装着し呼吸を楽にします。2つ目が手術です。扁桃腺やアデノイドの肥大が原因の場合は手術でそれらを切除・摘出します。手術が必要な患者さんの場合は手術が可能な病院へご紹介します。