いびき・無呼吸について

イビキの予防策

「口呼吸」はイビキの大きな原因のひとつです。病気や肥満になると、鼻やのどの空気の通り道が狭くなり、鼻では呼吸がしづらくなります。すると人は自然に「口呼吸」に移行してしまうのです。この「口呼吸」になると、鼻呼吸よりも息が止まりやすくなります。いわゆる「無呼吸」状態です。この「無呼吸」状態の後、酸素を体内に補給するために「口呼吸」が始まります。その際に大きなイビキが出てしまう。この繰り返しで体力が消耗し深い睡眠がとれず、昼間に眠くなりやすいのです。

ここでは「口呼吸」の予防方法をいくつかご紹介しましょう。
まずはイビキをかいている時にご自身がどのように寝ているか、ご家族の方に観て頂くと良いでしょう。「口呼吸」の方は、大きな口を開けて眠られることが多いです。
人間本来の正常な鼻呼吸をして頂くためにも「口呼吸」予防策を試してみてください。

1)まずは鼻やのどの治療を

鼻やのどに疾患があると、呼吸がスムーズに行われません。これが原因で「口呼吸」となり、イビキをかきやすくなります。「アレルギー性鼻炎」や「副鼻腔炎(蓄膿症)」、両方の鼻を仕切る軟骨部分がひどく曲がってしまう「鼻中隔湾曲症」などの鼻疾患、「扁桃炎」などのノド疾患がイビキの原因となります。これらは当院での治療で改善させることができます。

2)仰向け睡眠もイビキの原因

横向きやうつ伏せで睡眠をとるだけでもイビキ防止に十分な効果があります。実はイビキをかく多くの皆さんが仰向けで寝ていらっしゃるのですね。仰向けになると舌根(舌の付け根)がノドの方向に落ち込みやすくなり、一層気道をふさいでしまいます。つまりイビキをかきやすいノドの構造になってしまいやすいのですね。

 
仰向け睡眠の習慣を矯正するために
  • a)枕の高さを調節(今よりも低くするとうまくいく場合が多いです。)する
  • b)抱き枕を利用する
  • c)背中にバスタオルをつめたリュックサックを背負って眠る(慣れるまで)
  • d)仰向けに寝ている時に家族に横向きにしてもらうように依頼しておくなどを続けると、
      次第に横向き・うつぶせ寝ができるようになります。
3)ダイエットをはじめましょう

肥満体質の方は咽喉の周囲にも脂肪が付きやすくなります。このノドの周囲の脂肪が気道を狭くしてしまうのです。太っている方がイビキをかきやすいのは、ノドの周囲の脂肪が原因なのです。
肥満体質の方は、ダイエットをはじめましょう。基本的なダイエットはもちろん、脂肪を落とすような有酸素運動を心がけるようにしてください。また「パタカラ」などの医療器具を用いた「口腔筋トレーニング」や舌のトレーニングによる筋力向上もイビキ防止に効果があるといわれています。

4)お酒はホドホドに

飲酒によりリラックスするのと同時に、体中の筋肉も弛緩、つまり緩んできます。筋肉が緩むとそれだけノドの周りが狭くなります。また鼻の粘膜も充血したり空気の通り道が狭くなるため、鼻呼吸がしづらくなります。合わせてノドも狭くなります。この二重の状況がイビキを発生しやすくしています。禁酒!とは言いません(笑)しかしお酒はホドホドが美味しいのではないでしょうか。